日本留学を志す皆さんへ

 2008年、日本が世界に対してより開かれた国へと発展する「グローバル戦略」の一環として、2020年に日本国内の外国人留学生を30万人に増やすという目標が閣議決定され、日本の大学への入口と卒業後の社会の受け入れ態勢の両面強化を行う「グローバル30」政策がスタートしました。
私どもの財団はこの指針を受け、グローバル化推進の重要性を認識した有志により2011年、主に中国をはじめとするアジア各国からの留学生受け入れ強化を推進していくための財団として設立され、今年度まで活動を進めてきました。

 まず初めに着手した事業は、日本への留学を目指す中国を中心とした漢字圏の学生に向けたガイドブックの編集・出版であり、「日本留学指南」と命名、2012年中国本土での出版、2014年より台湾、香港を加え、年1回の出版実績を重ね、2021年度は、第10版の出版を計画しています。

 また同書籍の出版と並行して、中国をはじめとする海外各国で、日本留学専門塾「慧姿留日」を開設、日本語指導を行う他、日本の大学への留学に欠かせな「日本留学試験(EJU)」の対策授業を提供、現在では、台湾、香港を加え、アジア5か国で展開しています。

 さらに、海外での学部留学生受け入れ争奪戦で日本が圧倒的に弱いとされている、海外からの直接学生受入を実現するためのワンストップソリューション、「日本大学連合学力試験(JPUE)」を企画、趣旨に賛同いただいた日本国内の大学にご参画いただき、2014年7月から、アジア各国からの、優秀な学生の受け入れを進めています。

現在では国公立私立50以上の大学にご参画頂いており、中国大陸各拠点のほか、香港、マカオ、台湾、マレーシア、フィリピン、ベトナムにまで実施エリアを拡大、受験者数も数千人規模にまで拡大しています。  なお、この試験は、海外で実施する単純な試験ではなく、「出願者へのプロモーション」、「出願処理」、「学力試験」、「採点」、「面接試験」、「進路指導相談」、「日本語指導」、「来日手続」という、大学単独では非常に煩雑となる一連の留学生受け入れフローを一括して行う、まさに留学生入試の共通プラットフォームとして展開しているものです。

 近年では、複数の大学から、留学生受け入れに関するご相談が増え、一部の大学とタイアップによる留学生への日本語指導や留学生向け進学指導も進めております。

 2018年12月31日時点において、グローバル30計画は、約2年前倒しして目標は達成されました。しかし、2020年初頭からのコロナ感染拡大を受け、国内の留学生受け入れ事情は大きく様変わりしており、留学生数も激減することとなっています。
アフターコロナを視野に入れ、今後ますます積極的な留学生受け入れプロジェクトが必要とされることとなると思われます。
日本国内の大学との連携を強化し、優秀な留学生受け入れを進め、日本のグローバル化を推進してまいる覚悟でございます。

 今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

一般財団法人日中亜細亜教育医療文化交流機構
代表理事 山田敬三